柳ヶ瀬舞の日記

日記などの備忘録

20230623【ネタバレ注意※補完用】横井健司監督トークショー #タクミくんシリーズ #長い長い物語の始まりの朝。

23年6月23日渋谷シアター・イメージフォーラムにて、タクミくんシリーズ『長い長い物語の始まりの朝。』の横井健司監督のトークショーが行われました。

※ノートにとったメモを元にトークショーの模様をシェアしたいと思います。抜け落ちてしまったり、言葉遣いや細かい言い回しは違うと思いますが、どんなことを話されたかを知りたい方向けです※

 

上映後、司会の方(お名前は名乗られなかったですが、映像のお仕事をされていてタクミくんシリーズと関わりのある方)が横井監督をお呼びになって劇場は拍手に包まれました。

横井監督はすこし緊張した面持ちで「誰も来てくれないと思っていました。(観客で埋まった席を見て)、感無量です」とおっしゃりました。

 

司会の方「前回のシリーズから10年経ちましたが新シリーズをどう思われますか?」

横井監督「来たか! と思いました。5年前ならいまはちょっと……と思いました。10年のなかでいい感じにストックができて、前シリーズとは違ったチャレンジができたと思います」

 

司会の方「新シリーズはどいうイメージで撮られましたか?」

横井監督「前シリーズは『そして春風にささやいて』を撮っていなかった、『虹色の硝子』から監督したので物足りなさみたいなものを感じていました。前シリーズは『春風』の要素を要所要所、撮っていたのですが……。今回は最初からやろう! とそれができたので感無量ですね」

司会の方「朗読劇などもありましたよね?」

横井監督「それも結局パーツに過ぎなくて。最初から撮れるというのはやりがいがありましたね」

司会の方「カレー事件の……」

横井監督「ああ、あれですね。『春風』の劇場版はタクミにカレーを投げつけるCGがあったのですが、それだけはやめてほしいとお願いしました。カレーを投げつけられたギイの姿って絵的にかっこよくないじゃないですか」

 

司会の方「撮影で大変なシーンなどありましたか?」

横井監督「撮影自体ハードでしたね。ギイとタクミと赤池と高林、吉沢のシーンなんて夜10時に始めて終わったのが夜中の2,3時で。前シリーズから使っているゴルフ場で撮ったのですが、寒くて。俳優のみなさんもテストでもうまくセリフが言えなくなっていました。でもそれができあがった絵に全然出てなくてよかったですね」

 

司会の方「横井監督のお気に入りのシーンはどこですか?」

横井監督「タクミとギイから始まる階段のシーンですね。20回くらい加藤大悟くんは振り返りました。最初のシーンの振り返りと、タクミの回想の振り返りは実は違うテイクを使っているんですよ」

横井監督「あとお気に入りは塩化ナトリウムのところです。塩化ナトリウムの結晶ってできるまで時間がかかるんですよ。でも結晶のかたちが認識できるように撮れてよかったなあと思いました。最初あのシーンはスノーボールを使おうと脚本にかいてあったのですが、ごとうしのぶ先生が塩化ナトリウムがいいんじゃないか、とおっしゃられましたね」

司会の方「今回は脚本段階からごとう先生にアドヴァイスをもらいましたね」

横井監督「結果的に塩化ナトリウムの結晶でよかったと思いますね」

横井監督「あとは花びらえお拾うシーンがお気に入りです。撮影最終日で森下紫温くん、加藤くんの気持ちができてきた。前日森下くん電車で帰れなかったんですよ。でもちょっと眠たそうな感じが、顔を上げる瞬間が自然でした。2テイク撮りましたが、1テイク目を使いました。ギイがずっとタクミを見守ってきたんだなっていう目ですね。森下くんも加藤くんも努力してくれたと思います」

 

司会の方「森下くんはオーディションでタクミ役に選ばれたんですよね」

横井監督「加藤くんが森下くんが選ばれると嬉しいなと言っていました。森下くんは雰囲気が柔らかい感じですよね。でも意外と男っぽいところがちらちらと見える。その男っぽさがタクミの芯の強さに繋がってくる。浜尾京介くんのときもそうだったのですが、森下くんを撮っていて伸びしろがあるなあと思いました。次もみてみたい。もっとやれる感じがあります」

司会の方「加藤くんに会ったときの印象は?」

横井監督「めっちゃ脳天気なやっちゃなあ、と。あと返しがとても早いしうまい。加藤くんがいるとその場のテンションが上がりますね。加藤くんなら引っ張ってくれると思いました。加藤くんと森下くん互いに相乗効果がありました

 

司会の方「前シリーズの『あの、晴れた青空』から10年以上経っていますが、いま振り返るとどう思われますか」

横井監督「僕は「シリーズ潰しの男」なんで、『虹色の硝子』から4作もシリーズが続くなんて奇跡です。本当にシリーズ潰しなんで「タクミくんシリーズ」は本当にファンの方に支えられていると思います。『虹色の硝子』が最初に撮ったBL作品なんですが、基本恋愛ものベースなんですよね。一貫して「相手ときちんと向き合って欲しい」と伝えてきました」

 

――ここから質問コーナ――

質問者①さん「2作目の構想と影響を受けた映画監督、作品などありましたら教えてください」

横井監督「2作目の構想はまだないですね。でもごとう先生の「タクミくんシリーズ」完全版が時系列順に沿って発売されたので、それでずっと続けていきたいし、続けるつもりです」

横井監督「影響というか好きな映画監督は大森一樹さんですね。『ヒポクラテスたち』を撮った。あと草野翔吾監督は注目しています」

 

質問者②さん「加藤くんの『0%』について質問です。CD音源とエンディングで流れる音源はバージョンが違いますがどんな意図があったのでしょうか。また曲をあそこで切った理由などありましたら教えてください」

横井監督「(メモが判読不能でした。すみません。)

まず尺の問題もあります。エンドクレジットは短いので。サビ前で切って次の作品に繋げたいなと思ってあそこで切りました」

 

質問者③さん「横井監督のベストテイクはどこですか?」

横井監督「加藤くん森下くんが別々に無言でなにかをしているシーンが印象に残っています。冒頭の階段のシーンと塩化ナトリウムを見つめるシーンと花びらのシーンが特に印象残っていますね。無言のリアクションは気持ちが乗ってないと、そうは見えないので」

 

(メモ判読不能)

 

横井監督談「(最後のキスシーンは寸止めではなく、本当にキスをしています。寸止めって撮るのが難しいので加藤くんと森下くんにはキスしてもらいました。キス寸前で映像を切ったのは「次も観たい」という気持ちにさせるためです)」

 

司会の方「最後にタクミくんシリーズ観るひとに向けてひと言お願いします」

横井監督「シリーズとして繋げていけたことに感無量ですね。冗談抜きに奇跡です。10年を超えて繋げられたことが本当に奇跡です。原作とは違うものを撮っていけたらと思います。『タクミくんシリーズ』は僕にとって半分くらいのLIFEです。自分のなかでこのLIFEがなくならないようにシリーズを続けていきたいと思います。今日は本当にありがとうございました」

 

横井監督が深々と頭を下げました。そして会場は司会の方が退席されるまで拍手が続きました。